とびまわる言語学者−パート2
研究室から飛びだして、とにかくどこかにでかけよう。何かが見つかるはずである。

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大横綱北の湖の運命やいかに

相撲協会に対するマスコミの追求は本丸の退陣まで続くであろう。どうしても日本はトップの顔を変えないと許してもらえない
だいたい横審にしても再発防止委員会にしても、本来は相撲協会を助けるために作っている組織であるはずなのに、内舘さんややくみつるは自分たちが火種になって騒動を引き起こしている。朝青龍の写真集なんて問題にすること自体がおかしい。こんなことではいつまでたっても正常化しない。困ったものである
さて今回の大麻事件で、ニュースを見ていたら長田渚左というスポーツジャーナリストと名乗る女性が登場し、「秋場所を誰が見ますか?子どもたちになんて説明しますか?」と発言していた。こういう時にこの手の正論をぶつヤツが一番嫌いで、むしずが走った。少なくともジャーナリストはこの手のスキャンダルは大好きで、秋場所が始まったらテレビの前に釘付けになるに決まっている。というか、世間の人も人の不幸が大好きである。ワイドショーでビッグネームの芸能人の離婚報道があると視聴率が跳ね上がる。それと同じで露鵬と白露山が出場したら、おそらく秋場所の視聴率が上がることは間違いないであろう
ところで白露山は元々、少し前病気で若くして亡くなった二十山親方(元大関北天佑)の部屋に入門したそうである。北の湖が横綱の時に北天佑が大関で、北の湖が現役の最後の方で一年ぐらい優勝できなくなってしまい、もう引退かと言われていた時に、北天佑が援護射撃で最後の優勝を決めた時があった。勝ち残りで土俵下にいた北の湖がその瞬間ニコッと笑って立ち上がった姿は未だにしっかりと焼き付いている。その北天佑が連れてきた弟子のせいで、このような窮地に追い込まれるとは、何ともやりきれない話である。北の湖こそは、当時の解説の玉の海梅吉さんが最も高く評価していたように、心技体を極めた正真正銘の大横綱だった

ノスタルジーに浸る勝利

大学ラグビー対抗戦が開幕し、昨年大学選手権準優勝で春も絶好調だった慶応が日体大に敗れる波乱のスタートとなった
今から10年ぐらい前までは日体大といえば対抗戦の強豪校で、毎年優勝争いをしていたのであるが、関東学院大が強くなるのと比例していい選手が集まらなくなり、ここ数年はかつては100点ゲームをしていたような相手にも勝ったり負けたりしているような状態が続いていた。何年か前には東大にも負けたというのでちょっとした話題になったこともあった
もうかつての才能有り余る華麗なランニングラグビーなど見ることができないものであると、完全に諦めていたのであるが、どういうわけか昨日は慶応に勝ってしまったようである
試合内容も何もわからないけれど、ラグビーは15人の総合力で勝敗が常に決まるスポーツで、力の差がある場合にはもっとも番狂わせが起こらないと言われている。だから昨日は日体大が勝つための好条件がいくつも重なったともいえる。記録によるとレフェリーはニュージーランド人だったようであるが、それ以外に特に慶応側に負ける要素はなかったように思う
まあ一度ぐらい勝ったからと言って、いきなり日体大が復活するわけではないので、ちょっとしたノスタルジーに浸る程度の勝利ではある
夜は社会人のトップリーグの試合をこちらはCSでやっていた。5分程度見たけど、このところ3カ国ラグビーばかり見ていたこともあるが、あまりのレベルの低さに名ばかりトップリーグに呆れてしまった。グレーガン、ラーカム、ケフといった元オーストラリア代表ワラビーズの主力選手が今は日本でプレイする時代である。彼らもえらいところに来てしまった。酒場で彼らがどんな会話をしているか聞いてみたいものである

饅頭屋のおやつ

ロッテから最近発売された「チョコと果実のフォンデュ」シリーズのドライイチゴが気に入っている
最初新幹線に乗るときにコンビニで買ったのであるが、封を切ると米粒大からもう少し大きいものまでふぞろいの大きさの粒がいっぱい入っていた。大きいのでもチョコボールのチョコよりも小さく、なかなか可愛いし、それぞれにしっかりドライイチゴが入っていて、甘酸っぱくておいしい
ところがこのお気に入りのチョコ、スーパーやコンビニに行くたびにお菓子コーナーに立ち寄って探すのであるが、今のところ発見できていない。地域限定かと思ってしまうぐらい見つからないのである
ところでスーパーのお菓子コーナーは、まさに小さな子どもにとって「お菓子の国」のようなものである。ふだんは閉店前にスッと行くぐらいなので、あまり子どもと遭遇することはないのであるが、週末の昼間などについ立ち寄ってしまうと軽いパニックに陥る。スナック菓子片手にお母さんを捜して走り回っている子もいれば、座り込んでどれを買おうかとじっくり吟味している慎重派もいる。中には買ってもらえなくて泣き出す子もいれば、兄弟げんかを始めるのもいる。みんなワイワイガヤガヤやっているわけで、うるさいことこの上ない場所である
子どもの頃は、食べ物を売っている家に生まれたら良かったと誰でも一度は思うものである。時代は変わったとはいえ、今の子どももそうたいして変わらないであろう。特にお菓子屋さんとケーキ屋さんと果物屋さんあたりは人気がある
ただし、羨ましがられるほどには嬉しくないらしい。中学校の時にY田くんの家は何代も続く和菓子の老舗だった。遊びに行くと、案の定、店で売られている饅頭が日本茶と一緒に出てきた。爺が好きそうな古風な味で、一つ食べれば十分で、それほどたくさん食べられるようなものではなく、2回目以降はあまり友達の間では評判が良くなかった。彼によると子どもの頃からおやつはいつも自分のところの饅頭だったそうである。たまにはイチゴのショートケーキを食べたかったであろう。今頃は店を継いで饅頭をせっせと作っているのであろうが
ケーキ屋さんだって果物屋さんだって、毎日毎日だったらさすがに飽きる。それに家に充満する食べ物独特のにおいだって飽きるであろう。もっとも織物屋をやっている友達の家に遊びに行くと、一日中パッタンパッタンという機織りのけたたましい音が聞こえていた。鼻もつらいけど、耳はもっとつらい

コーカサスの力士たち

そろそろ秋場所が始まるというのに、大相撲のロシア人力士の大麻問題で、大相撲を愛してやまないデーモン小暮ですらさじを投げかける事態である
ニュースで最初に聞いたときガグロエフ・ソスラン・アレクサンドルヴィチ容疑者と言っていたので「誰が吸ったんや」と思ったら、まだ幼さが残る二十歳そこそこの若ノ鵬寿則であった
どうでもいいことではあるが、ロシア人の名前は普通二つ目に「○○○ヴィチ」という「○○○の息子」を意味する父称が付く。3つ並べる場合はたぶんソスランとアレクサンドルヴィチが逆だと思う。ニュースではアレクサンドルヴィチが省略されて言われることもあるので、たとえば「太郎・山田容疑者」と呼ぶべきところを「太郎・次郎の息子」では山田にあたるものがないのでちょっと具合が悪い。というかロシア人は犯罪を犯すとお父さんまで公表されてしまう。「アレクサンドルのところの息子がやったんや」である。オヤジも大変である。ちなみに露鵬&白露山の兄弟はそれぞれソスラン・フェーリクソヴィッチ・ボラーゾフとバトラズ・フェーリクソヴィッチ・ボラーゾフらしいが、ボラゾフ家のフェーリクスの息子のソスランとバトラズということになるのであろうか
ところでこの三人今国際問題になっているコーカサスのオセチア出身らしい。ロシア人だとばかり思っていたら、実はオセチア人だったわけで、グルジア人の黒海とはまさに天敵であった。黒海はこの間けいこを休んで抗議のデモに参加したということで叱られていた
さて大麻の結果はどうなるのかわからないが、乱暴者の露鵬はともかく、弟の白露山はいつ髷が結えなくなるのか注目していただけに、いなくなって欲しくない。その昔北瀬海は髷が結えなくなって引退に追い込まれたという話を聞いたことがある。琴稲妻も最後は相当やばかったけど、白露山はまだ26歳の若さである

あなたと(は)違うんです!

ネットでは福田さんの辞任会見での「あなたとは違うんです」で盛り上がっているらしい
ところで福田さんの発言を注意深く聞いていたが、「は」の部分はなく「あなたと違うんです」と言っているように思う。「私は」を復元すると「私はあなたと(は)違うんです」となるが、「は」はあってもなくても意味にそれほど違いがないように感じる人も多いであろう
その前の「あなたはそうおっしゃるけど」の部分も実は福田さんは「は」を発音していない。「あなた、そうおっしゃるけど」である。これも「は」があってもなくてもたいして意味の違いがないように感じる。書きことばにすると、みんな勝手に「は」を復元してしまっている
ちなみに言語学では「は」はトピック(話題の中心)を持った名詞句に付けられるものであるが、「私はあなたとは違うんです」のように一つの文の中に複数の「は」が登場することもある。ちなみに「あなたとは」の「は」の方を「対照のは」などと呼ばれたりする。ただあんまり一つの文に「は」を入れすぎるとあっちこっちにインパクトのありまくる文になってしまい、下手くそ文となる
ところで福田さんにとって中国新聞の若手記者なんてどうでもいい存在である。むしろ「私は」の方が言いたいわけであり、わざわざ「あなたと」の部分を強調する意味はない。ついでだが、後ろの「あなた、そうおっしゃるけど」も呼びかけであって、「あなた」は主語でも主題でもない。言語学では呼格と呼ばれたりするが、これは文の中の文法関係から外れる要素である。また、だいたい話しことばで2人称代名詞主語をしっかり言うのは稀である。「あなたは英語を話しますか?」なんて日本語は、英語の授業の英文和訳の時ぐらいしか使わない
助詞一つぐらいたいして差がないようにおもうかもしれないが、あるかないかでちょっとばかりニュアンスが違ってくる。「違うんです」と違いがわかる男、福田さんにとっては不本意な取り上げられ方である